この記事でわかること
パズルは、答えが2つあったり、当てずっぽうでしか進めなかったりすると、とたんにつまらなくなります。この記事では、トクマスの3つのパズルをどうやって作り、公開する前に何を確かめているかを、実際の数字つきで説明します。生成AIの使い方を含む全体の方針は編集方針にまとめています。
1. ナンプレ
作り方
- ルールどおりに1〜9が並んだ、完成した盤面をプログラムで作ります。
- そこから数字を少しずつ消していきます。消すたびに「答えがまだ1つに決まるか」を調べ、2つ以上になる数字は消さずに残します。盤面が点対称の形になるように、2つずつ消しています。
- できた問題を、人が使う解き方だけで解けるか、プログラムで試します。どの解き方が必要だったかで、難しさの段を決めます。
難しさの決め方
下の表は、各段300問をプログラムで解いたときの、最初から入っている数字の数と、よく使われた解き方です。
| 段 | 最初の数字(平均) | プログラムが解くときに使った解き方(使った問題の割合) |
|---|---|---|
| やさしい | 36.4個 | ここしか入らない・最後の1マス(100%)。300問のうち299問は、この2つだけで解ける |
| ふつう | 30.6個 | 上の2つに加え、この数字しか入らない(7%) |
| むずかしい | 27.7個 | ブロックからの絞り込み(99%) |
| 上級 | 26.9個 | ペア(79%)・隠れたペア(32%) |
| 達人 | 27.0個 | XYウィング(94%)・Xウィング(30%) |
| 鬼 | 26.0個 | 上のすべてを使っても途中で進めなくなる(答えは1つ) |
最初の数字の数は、上の段ほど少なくなりますが、「上級」と「達人」はほとんど変わりません。難しさを決めるのは、数字の数よりも、どの考え方が必要になるかだからです。それぞれの解き方は最初の1マスの見つけ方・メモの使い方とペア・XウィングとXYウィングで説明しています。
ヒントと解答ツールは、この「人の解き方」のプログラムをそのまま使っています。だから、ヒントの説明は、問題の難しさを決めたときと同じ考え方になっています。このプログラムの解き方では進めない難所(「鬼」の問題)では、ヒントは理由の代わりにマスの答えを見せます。
枠の合計で解くキラーナンプレ
2026年10月5日に足したキラーナンプレ(やさしい・むずかしい・鬼を100問ずつ)も、プログラムで作っています。
- 作り方: ナンプレの答えの盤面を、1マスずつの枠に分けた状態(全部の数字が見えているのと同じ)から始めます。となりあう枠を1つずつつなぎ、人の考え方だけで最後まで解けるうちはつなぐ、解けなくなるなら戻す、をくり返しました。枠の中で同じ数字が重ならないように、つなぐ枠を選んでいます。
- 段の分け方: 解くのに要るいちばん難しい考え方で分けました。やさしいは、合計からしぼる・枠の最後の1マス・ここしか入らない、だけで解ける問題です。むずかしいは、1つの行・列・ブロックの45の法則(行・列・ブロックの数字の合計は45)や、ほかのマスの候補と合わせた組み合わせが要る問題、鬼は、2〜4行をまとめた45の法則や、はみ出した2マスの合計が要る問題です。
- 最初の数字: 2026年10月5日に、答えの数字を1マスずつ足して、手ごたえをふつうのナンプレの段にそろえました。目安にしたのは、はじめに埋められるマスの数、1〜2マスしか進めない場面の割合、行き詰まってむずかしい考え方が要る回数です。やさしいはナンプレの「ふつう」くらい(はじめに平均11.6マス埋められ、1〜2マスしか進めない場面は0%)、むずかしいはナンプレの「むずかしい」くらい(むずかしい考え方が要るのは平均1.9回)です。その段の決め手が要らなくなるマスには足していません。最初の数字は平均で、やさしい15.3個・むずかしい14.9個・鬼19.5個です。
- 答えは1つ: 人の考え方で最後まで解けて、解いた答えが作った答えと同じになることを1問ずつ確かめたうえで、考え方を使わないしらみつぶしでも、300問すべての答えが1つだけなことを確かめています(しらみつぶしで確かめきれなかった問題は使っていません)。
- 枠の数: やさしいは平均31.0個(2〜4マス)、むずかしいは平均25.6個(2〜5マス)、鬼は平均23.0個(2〜6マス)です。
2. ノノグラム
作り方
絵は、生成AI(OpenAI の Codex)に、マス目の設計図として1枚ずつ描いてもらいました。写真や既存のキャラクターをもとにした絵はありません。季節のもの、動物、たべもの、のりもの、しぜんなど、今は408枚あります(10×10が96枚、15×15が48枚、大きい盤の20×20が52枚・25×25と30×30が50枚ずつ(2026年9月26日に足し、10月3日と10月5日に10枚ずつ、10月13日に20枚ずつ増やしました)、むずかしい段が112枚(2026年9月27日に32枚、10月3日と10月5日に20枚ずつ、10月13日に40枚増やしました))。
確かめていること
- 数字だけで最後まで解けるか: 1枚ずつ、行と列の数字だけから決められるマスを決めていき、全部のマスが決まるかをプログラムで試しました。途中で止まる絵(答えが2つあるか、当てずっぽうが必要な絵)は描き直してもらい、408枚すべてが通るまでくり返しました。
- かかる周回: 行を全部見て、列を全部見るのを1周として数えると、全部のマスが決まるまで10×10で平均2.5周、15×15で平均2.7周、20×20で3.1周、25×25で3.0周、30×30で3.7周でした。実際の手順は15×15のノノグラムを実際の画面で解いた記録に載せています。
- 塗るマスの割合: 塗るマスは全体の4〜7割の範囲にしていて、平均は61%です。少なすぎると絵にならず、多すぎると塗るだけの作業になるからです。
完成したときに出る豆知識は、生成AIで下書きし、別の生成AI(Anthropic の Claude)で事実を確かめてから載せています。
むずかしい段の絵
2026年9月27日に足し、10月3日・5日・13日に増やした「むずかしい」段(15×15が60枚・20×20が52枚)は、次の3つをプログラムで測り、すべて満たす絵だけにしています。
- 塗るマスが少ない: 全体の28〜45%(平均は15×15が36%・20×20が37%)。
- 最初の一目ではほとんど決まらない: 何も塗っていない盤で、行と列を1本ずつ見ただけで決まるマスが15%以下(平均は15×15が10%・20×20が10%)。ふつうの絵は平均5〜6割です。
- 行と列を何度も行き来しないと解けない: 全部のマスが決まるまで、15×15は6周以上、20×20は7周以上(平均は15×15が8.7周・20×20が9.6周)。
絵は、太い塗りつぶしではなく線画(輪郭と細い線)で描いてもらいました。線画は塗るマスが少なく、1本の行だけで決まる情報も少なくなるからです。それでも条件に届かない絵は、検品のプログラムが「一目で決まるマスが多い行・列」を示し、長い直線に切れ目を入れる・枠線をやめるといった手直しを、生成AI(Codex)が絵の形を保ったままくり返しました。行と列の推論だけで解けて、答えが1つになることは、ふつうの絵と同じように確かめています。
同じ絵で作る数字ぬりえ
2026年9月26日に足した数字ぬりえは、ノノグラムの10×10と15×15の絵から作っています。マスの数字は、そのマスとまわり8マスのうち塗るマスの数です。
- 見せる数字の選び方: すべてのマスに数字がある状態から、絵ごとに決まった順番で数字を1つずつ消し、「もう数字どおり塗ってあるなら残りは塗らない」「あと何マス塗るかと、決まっていないマスの数が同じなら全部塗る」の2つだけで最後まで解けるうちは消し、解けなくなるなら戻します。最後に、解いた結果が元の絵と同じになることを確かめています。
- 数字の数とかかる周回: 見えている数字は、10×10で全マスの平均27%、15×15で平均24%です。見えている数字を左上から順に1回ずつ見るのを1周として、全部のマスが決まるまで10×10で平均5.6周、15×15で平均6.0周(どちらも多くて12周)でした。
- 入れなかった絵: 10×10と15×15の144枚のうち8枚は、数字をすべて見せても2つの考え方だけでは決めきれないところが残るので、数字ぬりえには入れていません(全136問)。
色の数字で塗るカラーノノグラム
2026年9月27日に足したカラーノノグラムも、ノノグラムの10×10と15×15の絵から作っています。
- 色の整え方: ノノグラムの絵には、色合いのよく似た色(影や模様のための色)が入っています。色の差(CIEDE2000 の色差)が12より小さい色は1色にまとめ、残りの色どうしは色差が18以上になるまで、明るさを少しずつ離しました。完成したときは、元の絵の色で見せます。
- 数字だけで最後まで解けるか: 色つきの数字で、行と列の推論(どう並べても同じになるマスを決める)だけで全部のマスが決まるかを、1問ずつプログラムで試しています。1行の推論のプログラムは、すべての並べ方を数えるやり方と3,000件比べて、結果が同じになることを確かめました。
- かかる周回: 10×10で平均3.3周(多くて9周)、15×15で平均3.4周(多くて4周)でした。色があるぶん、ふつうのノノグラムより早く決まるマスが多くなります。
- 入れなかった絵(カラーノノグラム): 144枚のうち27枚です。色つきの数字だけでは決めきれない絵が6枚、色を整えると1色になるか見分けにくいままの絵が2枚、1つの行か列に色の数字が9個以上並んでスマートフォンで盤が小さくなりすぎる絵が19枚でした(全117問)。
電球で照らすライトアップ
2026年9月27日に足したライトアップ(7×7と10×10を125問ずつ。2026年10月3日に25問ずつ足しました)は、プログラムで作っています。
- 作り方: 黒マスを点対称(盤を180度回しても同じ形)に置き、まだ照らされていない白マスに順に電球を置いて答えを作ります。黒マス全部に数字を付けてから1つずつ消し、4つの考え方(「0」のまわりには置けない・置ける場所が数字と同じなら全部・もう数字の数だけあれば残りは置けない・照らせる場所が1か所だけなら電球)だけで最後まで解けるうちは消します。
- 数字: 7×7は黒マス平均12.9のうち数字が平均7.4、10×10は黒マス平均26.1のうち数字が平均12.9残りました。電球や ・ をまとめて決める手は、7×7で平均12.5手、10×10で平均20.2手です。
- 答えは1つ: どの考え方も、ほかの置き方がありえないことだけを使うので、最後まで解けた問題の答えは1つです。解いた答えが作った答えと同じになることも、1問ずつ確かめています。
島を橋でつなぐリンクブリッジ
2026年9月27日に足したリンクブリッジ(7×7と10×10を125問ずつ。2026年10月3日に25問ずつ足しました)も、プログラムで作っています。
- 作り方: 島を1つ置き、ある島から縦か横にのばした先に新しい島を置いて、橋(1本か2本)でつなぐ、をくり返します。ときどき、向かい合う島どうしにも橋を足して輪を作ります。島の数字は、かけた橋の数です。
- 確かめていること: 人の考え方(ほかの向きに全部かけても足りなければ少なくとも1本・もう数がそろえばそれ以上かけない・交差しない・その島たちだけで閉じてしまう本数はかけない)だけで最後まで解けて、答えが作った橋と同じになる問題だけを残しました。そのうえで、考え方を使わないしらみつぶしでも、250問すべての答えが1つだけなことを確かめています。
- 島と橋の数: 7×7は島が平均10.9個・橋が平均14.5本、10×10は島が平均19.8個・橋が平均27.3本です。
3. クロスワード
言葉とカギ
辞書には2,546語が入っています。文字数の内訳は、2文字が581語、3文字が934語、4文字が612語、5文字以上が419語です。カギ(ヒント文)は生成AI(Codex)で下書きしました。そのあと別の生成AI(Claude)が1語ずつ読み直して、事実の誤り・答えがカギの中に見えていないか・答えが1つに決まるかを確かめました。答えの漢字がカギに入っていないかは、Codexでもう一度すべて洗い出し、直し案をClaudeが1件ずつ確かめています。公開前に直したカギは501件、辞書から外した言葉は1語です(訂正の記録)。
盤面の組み立て
盤面は、日本式のクロスワードのルールに沿って、プログラムが組みます。
- 黒マスは、縦にも横にも隣り合わない
- 四すみは白マス
- 白マスはすべてつながっている
- 2マス以上続く白マスには、必ず辞書の言葉が入る
黒マスの置き方を決めてから、交わる文字が合うように言葉を当てはめていきます。1つの盤面に同じ言葉は2回使いません。練習用の問題では、7×7で黒マスが平均11.8個・言葉が平均21語、9×9で黒マスが平均19.8個・言葉が平均34語になりました。
二重マスと今日の合言葉
言葉を埋め終わった盤面から、合言葉の文字が入っているマスを選んで二重マスにします。合言葉は、月ごとに25語ずつ用意した季節の言葉から選び、行事の日(十五夜・ハロウィン・冬至・クリスマスなど)はその日にちなんだ言葉にしています。
4. 毎日の問題の決め方
- 毎日の問題は、日付をもとにした乱数で作ります。だから、同じ日には誰でも同じ問題を解いています。
- 難しさは曜日で決まります。ナンプレは月曜が「やさしい」、火・水曜が「ふつう」、木・金曜が「むずかしい」、土曜が「上級」、日曜が「達人」。クロスワードは月〜水曜が7×7、木〜日曜が9×9。ノノグラムは平日が10×10、週末が15×15です。ただし十五夜やクリスマスなど行事の日は、平日でもその日にちなんだ15×15の絵にしています。
- ノノグラムの絵は、季節に合うものを優先して日付に割り当て、同じ絵が2回出ないようにしています。
5. それでも誤りを見つけたら
問題が解けない、カギや豆知識がまちがっている、と思ったら、お問い合わせから知らせてください。確かめて直し、直した内容は編集方針のページに書き残します。