この記録について
トクマスのナンプレ「鬼」の No.299 を、スマートフォンと同じ大きさの画面で、最初から最後まで解きました。最初から入っている数字は26個、空いているマスは55です。
鬼は、トクマスのナンプレでいちばん難しい段です。ヒントと解答ツールが使う14種類の解き方(ここしか入らない・ペア・Xウィング・XYウィングなど)を全部使っても、途中で進めなくなる場面が必ずあります。鬼の300問すべてでそうなることを、プログラムで確かめました。
解く順番は、トクマスのヒントと同じ解き方のプログラムが見つけた順番です。人が解くときと同じように、マスを選んで下のボタンで数字を入れる操作だけで進めました。候補を消すだけの手は、説明に使うマスにメモを書いて、メモを消す操作で見せています。ヒントは使っていません(難所でヒントを押したときの画面は、別に撮りました)。
1〜31手目:鬼でも、序盤はいつもどおり
最初の30手は、「ここしか入らない」と「最後の1マス」だけで進みました。鬼でも、序盤はふつうの問題と同じ考え方です。マスの選び方や数字の入れ方は、ナンプレ「むずかしい」の記録でくわしく説明しています。
31手目で、はじめて候補を消す手が要りました。左上のブロックで6が入るのは、2行目の2マス(2行1列・2行2列)だけです。どちらにしても2行目の6はこのブロックの中なので、2行目のほかのマス(2行8列)には6は入りません(ブロックからの絞り込み)。すると、右上のブロックで6が入るのは3行8列だけになりました。
32手目:Xウィングと絞り込みで、7だけ残る
32手目の5行3列は、メモを書くと候補が4・5・7の3つ。ここから2つを消します。説明に使うマスにだけ、メモを書きました。
- 5が消える: 4行目で5が入るのは、4行1列と4行3列だけ。どちらも左のまん中のブロックなので、このブロックのほかのマス(5行3列)に5は入りません。
- 4が消える(Xウィング): 1行目で4が入るのは1行3列か1行4列、4行目で4が入るのは4行3列か4行4列。1行目の4が3列目なら4行目の4は4列目、1行目が4列目なら4行目は3列目です。どちらでも、3列目と4列目の4は1行目と4行目で使い切るので、3列目のほかのマス(5行3列)に4は入りません。
残るのは7だけ。メモの5と4を消してから、7を入れました。
Xウィングの考え方は、ナンプレのXウィングとXYウィングで図を使って説明しています。
33〜35手目:XYウィング、そして止まる
33手目の4行7列=7は「ここしか入らない」。34手目は、もう1つの上級テクニック、XYウィングで決まりました。
5行5列の候補は2と4です。2なら、同じ行の5行7列(候補は2と6)は6。4なら、同じブロックの4行4列(候補は4と6)は6。どちらの場合も、5行6列は「5行7列と同じ行」か「4行4列と同じブロック」なので、6は入りません。すると5行目で6が入るのは5行7列だけになり、34手目は5行7列=6。35手目は、7列目の最後の1マスの6行7列=2でした。
35手目のあと、空いているマスは20。プログラムで確かめると、ここでは14種類のどの解き方も使えません。ここが、この問題の難所です。
難所:2択のマスに仮定を置く
ここで使うのが「仮定」です。候補が2つだけのマス(2択のマス)を選び、片方を仮に入れたとして進めます。どこかで矛盾が出たら、その数字はまちがいで、もう片方が答えです。
大事なのは、仮の数字を盤に入れないことです。トクマスでは、まちがった数字を入れるとその場でミスになり、はじめの設定では3回まちがえると終わります。仮定は、メモと頭の中で進めます。
選んだのは3行9列(候補は4と5)です。4と5の2択が、9列目(3行9列・6行9列)にも、右上のブロック(3行9列・2行8列)にも並んでいて、1つ決まると次々に決まりそうだからです。説明に使う5マスに、候補をメモしました。
- 仮に3行9列を5とする。
- 9列目で4が入れるのは、3行9列と6行9列だけ。3行9列が5なら、6行9列が4。
- 右上のブロックで4が入れるのは、3行9列と2行8列だけ。3行9列が5なら、2行8列が4。
- すると、2行目と6行目に4が入ります。2列目で4が入れるのは2行2列と6行2列だけでしたが、どちらも同じ行に4があるので入れません。2列目に4を入れる場所がなくなりました。これが矛盾です。
3行9列を5にすると矛盾が出るので、3行9列は5ではありません。残る候補の4が答えです。
4を入れると、同じ列とブロックのメモから4が自動で消え、6行9列と2行8列は5だけになりました(設定の「メモを自動で消す」)。ここから先は、また「ここしか入らない」と「最後の1マス」だけで、最後まで止まらずに進みました。
難所でヒントを押すと
難所でヒントを押すと、理由の代わりに、選んでいるマスの答えが入ります(マスを選んでいなければ、候補のいちばん少ないマス)。この記録とは別に、35手目のあとで3行9列を選んでヒントを押したときの画面です。
ヒントは1問につき3回まで無料です。使うと、その問題には「ヒントなし」のボーナスが付きません。自分で仮定を置いて抜けられたときの手ごたえは、鬼ならではです。
最後まで解いて、結果
| 手 | タイム | できごと |
|---|---|---|
| 1〜5手目 | 00:17 | ここしか入らない |
| 30手目 | 03:51 | ここまで「ここしか入らない」と「最後の1マス」だけ |
| 31手目 | 04:00 | ブロックからの絞り込みのあと、3行8列=6 |
| 32手目 | 04:36 | Xウィングと絞り込みで、5行3列=7 |
| 34手目 | 05:11 | XYウィングで、5行7列=6 |
| 35手目 | 05:20 | 6行7列=2。ここで止まる |
| 36手目 | 06:07 | 仮定で、3行9列=4 |
| 55手目 | 08:31 | クリア |
タイムは、1手ごとに8秒ほどあけて操作したときのものなので、人が解く時間の目安にはなりません。
ふり返り:鬼を解くコツ
鬼の300問を、この記録と同じやり方(14種類の解き方で進み、止まったら2択のマスに仮定を置いて、ここしか入らない・最後の1マス・この数字しか入らないだけで矛盾を探す)で解くと、次のようになりました。
| 数えたこと | 結果 |
|---|---|
| 14種類の解き方だけで最後まで解けた問題 | 0問(全部どこかで止まる) |
| 最初に止まるまでに入る数字 | 真ん中の値で17マス(No.299は35マス) |
| 最初の難所で、5手以内に矛盾が出る2択がある問題 | 153問(51%) |
| 止まった盤面の2択のマスのうち、片方で矛盾が出るマス | 平均78% |
| 仮定の回数 | 1回:152問・2回:77問・3回以上:68問 |
| このやり方だけでは解けなかった問題 | 3問(もっと長い読みが要る) |
- 仮の数字は盤に入れない: まちがっていればミスになります。メモに候補を書き、頭の中で進めます。
- 2択のマスから選ぶ: 候補が2つなら、片方で矛盾が出れば、もう片方が答えと決まります。同じ2つの数字(この問題では4と5)の2択が、同じ列やブロックに並んでいるところは、1つ決まると次々に決まるので、矛盾も早く出ます。
- 矛盾は2種類: 入る数字がなくなるマスか、入れる場所がなくなる数字(この問題では2列目の4)。仮に置いた数字と同じ数字の行・列・ブロックを見ると、見つけやすくなります。
- 5手ほど進めても矛盾が出なければ、別の2択へ: 止まった盤面の2択のマスの8割近くは、片方で矛盾が出ます。長く追うより、ほかのマスを試すほうが早いことが多いです。
- 抜けたあとは一気に進む: No.299 は、仮定のあとの19マスがすべて「ここしか入らない」と「最後の1マス」でした。
どこまでが14種類の解き方で進めるのかは、解答ツールの「次の一手」で確かめられます。段ごとの考え方はナンプレの解き方のコツにまとめています。